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法律相談Q&A

新築住宅/既存住宅の区別について

Q 法令上,新築住宅/既存住宅は,どのような基準で区別されますか。

A 以下のとおりです。

1 住宅の品質確保の促進等に関する法律

 住宅の品質確保の促進等に関する法律2条2項においては,以下のような規定が設けられています。

 この法律において「新築住宅」とは,新たに建設された住宅で,まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く。)をいう。

2 不動産の表示に関する公正競争規約

 不動産の表示に関する公正競争規約においては,以下のような規定が設けられています。

第18条 事業者は,次に掲げる用語を用いて表示するときは,それぞれ当該各号に定める意義に即して使用しなければならない。

(1)新築 建築後1年未満であって,居住の用に供されたことがないものをいう。

3 まとめ

 上記のとおり, 上記法律および上記規約では,新築住宅(新築)とは,①人の居住の用に供しておらず,かつ,②建築完了の日から1年を経過していない物件を指します。そのため,完成後,1年を経過している物件は,新築住宅(新築)ではないと評価されます。

 具体的には,新築住宅に該当しない場合,品確法との関係では,「住宅のうち構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるもの」に関して,引渡しから10年間瑕疵担保責任を負う(同法95条)との規定が適用されないことになります。また,公正競争規約との関係では,「新築」との表示を広告等にすることができなくなります。

執筆者 弁護士:谷亮平
弁護士登録後、建築・設計・土木・不動産分野を専門的に取り扱う法律事務所に入所。クライアント企業である鉄道会社、ゼネコン、ハウスメーカー、工務店、設計事務所からの法律相談、紛争事件を多数手がける。昨今は、企業関連法務、マンション管理、システム開発の分野にも注力している。