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法律相談Q&A

下請業者に施工不備があった場合、元請業者は、下請業者に対して、損害のすべてを請求することはできますか。

Q 下請業者の施工に不備があった場合、元請業者である当社が発注者に賠償した補修費用相当額を、下請業者に対して、全額請求することはできますか。


A 施工不備を作り出した原因が、下請業者にあったとしても、元請業者においても管理責任がありますので、一定の割合で過失相殺(民法418条)が認められます。その結果、元請業者から下請業者に対する請求は、一部否定される可能性が高いといえます。

 この場合の責任割合は、ケースバイケースですが、例えば、東京地裁平成23年3月25日判決では、「①本件工事における主任技術者は原告(元請業者)従業員Gであったこと、②本件工事においてF(下請業者従業員)は現場責任者として常駐していたが、Gも隔週ないし週に1回は現場を訪れていたこと、③原告(元請業者)は、安藤設計の設計図書に設備に関する不備があることを平成15年12月13日ころに知っていたこと」という事実を指摘して、原告(元請業者)30パーセント、被告(下請業者)70パーセントの責任割合を認めています。この責任割合を検討するうえでは、元請業者として、その施工不備を発見すること、防ぐことが可能であったか、また、発見・阻止すべきであったか、という視点が重要となります(発見、阻止が可能であればあるほど、元請業者の責任割合が大きくなります。)。

執筆者 弁護士:谷亮平
弁護士登録後、建築・設計・土木・不動産分野を専門的に取り扱う法律事務所に入所。クライアント企業である鉄道会社、ゼネコン、ハウスメーカー、工務店、設計事務所からの法律相談、紛争事件を多数手がける。昨今は、企業関連法務、マンション管理、システム開発の分野にも注力している。