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法律相談Q&A

目隠し義務を負う場合に、具体的にはどのような目隠しを設置すれば良いですか。

Q 民法において目隠しの設置義務があると判断された場合、具体的にどのような目隠しを設置すれば良いですか。


A 裁判例では、「目隠しは、設置の位置、大きさ、材質等は観望を遮るに足るものであることが、必要かつ十分というべきであって、これを越えて必要以上の目隠しを設置することまで要求できない」とされています(東京地裁平成19年6月18日判決)。

 また、他の裁判例では、「民法235条は、隣地居住者相互がプライバシー侵害のおそれを感じることを防ぐことによって精神的に平穏な生活を保護すべく、境界線から1メートル未満の距離に隣地の宅地を見通すことのできる窓等を設置する者に対し目隠し設置義務を負わせているものであり、いわば相隣関係に基づく互譲の精神に基づくものであると解されることからすると、当該設置義務を負わせるべき目隠しは、できるだけ設置義務者にとって負担感が少ない方法から選択すべきである」と判断しているものもあります(東京地裁平成24年6月21日判決)。

 このように、目隠しの設置方法については、できるだけ設置義務者にとって負担感が少ない方法が選択されることになります。

執筆者 弁護士:谷亮平
弁護士登録後、建築・設計・土木・不動産分野を専門的に取り扱う法律事務所に入所。クライアント企業である鉄道会社、ゼネコン、ハウスメーカー、工務店、設計事務所からの法律相談、紛争事件を多数手がける。昨今は、企業関連法務、マンション管理、システム開発の分野にも注力している。